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先進医療A第2号「重粒子線治療」— 制度上の位置づけ、費用、実施医療機関

重粒子線治療は、厚生労働省が告示する先進医療A の第2号として公表されています。本記事は治療効果の話ではなく、制度の話です。どの範囲が先進医療として扱われるのか、費用はどう分かれるのか、どの医療機関が一覧に載っているのか。出典はすべて厚生労働省の公表資料です。

先進医療とはどの制度なのか

先進医療は、健康保険法等の一部を改正する法律(平成18年法律第83号)で厚生労働大臣が定める「評価療養」の一つです。将来的な保険導入のための評価を行うものとして、まだ保険診療の対象に至っていない医療技術と保険診療との併用を認める仕組みで、技術ごとに施設基準が設けられ、基準に該当する保険医療機関が届出により実施します。厚生労働省の「先進医療の概要について」によれば、令和8年8月現在で73種類が対象です。

この「まだ保険診療の対象に至っていない」という点が重要です。つまり、先進医療の一覧に載っている適応症は、保険が適用されない範囲を指しています。保険適用となっている疾患・条件は診療報酬上の規定によるもので、この一覧の外にあります。保険適用との具体的な線引きは、受診先の医療機関でご確認ください。実際の適用可否は、必ず受診先の医療機関にご確認ください。

先進医療A 第2号「重粒子線治療」の告示内容

厚生労働省「先進医療の各技術の概要」(令和8年7月現在)の記載は次のとおりです。

項目 告示上の記載
番号 先進医療A 第2号
先進医療技術名 重粒子線治療
適応症 肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。)
技術の概要 重粒子線(炭素イオン線)を体外から病巣に対して照射する治療法。
jRCT登録ID 記載なし

括弧内の「いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。」は原文どおりです。適応症の判断は医療機関が行います。

費用はどう分かれるのか

先進医療に係る費用は全額自己負担です。通常の治療と共通する部分(診察・検査・投薬・入院料等)は一般の保険診療と同様に扱われ、各健康保険制度の一部負担金を支払います。厚生労働省が挙げている例で示すと次のようになります。

区分 金額(厚生労働省の例) 負担
総医療費 100万円
先進医療に係る費用 20万円 全額を患者が負担
通常の治療と共通する部分 80万円 7割 56万円を保険給付/3割 24万円が一部負担金

保険給付に係る一部負担については高額療養費制度が適用されます。なお「先進医療に係る費用」は医療の種類や病院によって異なると明記されており、金額は一律ではありません。具体的な料金は医療機関ごとに確認が必要です。

どの医療機関が一覧に載っているか

厚生労働省「先進医療を実施している医療機関の一覧」(令和8年7月現在)では、先進医療Aは28種類・3,150件、先進医療Bは45種類・379件が掲載されています。このうち第2号「重粒子線治療」の項に載っているのは次の7件です。

都道府県 実施している医療機関の名称
千葉県 国立研究開発法人量子科学技術研究開発機構 QST病院
兵庫県 兵庫県立粒子線医療センター
群馬県 群馬大学医学部附属病院
佐賀県 九州国際重粒子線がん治療センター
神奈川県 神奈川県立がんセンター
大阪府 大阪重粒子線センター
山形県 山形大学医学部附属病院

これは厚生労働省が公表している届出状況の一覧であり、順位づけや推奨ではありません。当社は医療機関の紹介・受診手配は行いません。

自分で最新情報を確認する方法

この一覧は先進医療会議の審議に応じて更新されます。確認したいときは、厚生労働省の「先進医療の各技術の概要」で技術名と適応症を、「先進医療を実施している医療機関の一覧」で届出医療機関を見るのが最短です。どちらもページ冒頭に基準日(例:令和8年7月現在)が記載されているので、まずそこを見てください。技術によってはjRCT登録IDが併記されており、臨床研究等提出・公開システムで詳細を追えます。

先進医療は、一般的な保険診療を受けるなかで患者が希望し、医師がその必要性と合理性を認めた場合に行われます。治療内容や必要な費用の説明を受け、納得したうえで同意書に署名する手順です。領収書は医療費控除の際に必要になるため保管してください。

三つの照射方法の違いから確認したい場合は、以前の日本の先端放射線治療入門をご覧ください。本記事は制度面に絞っています。

FAQ

重粒子線治療は日本の健康保険が使えますか。

先進医療として実施される場合、先進医療に係る費用は全額自己負担で、診察・検査・投薬・入院料など通常の治療と共通する部分のみが保険給付の対象になります。一方、保険適用となっている疾患・条件は先進医療の一覧の外にあり、診療報酬上の規定によります。個別の可否は受診先の医療機関にご確認ください。

先進医療A第2号の適応症はどう書かれていますか。

厚生労働省の告示では「肺・縦隔腫瘍、消化管腫瘍、肝胆膵腫瘍、泌尿器腫瘍又は転移性腫瘍(いずれも根治的な治療法が可能なものに限る。)」と記載されています。括弧内の限定を含めて一体の記載であり、実際に該当するかどうかの判断は医療機関が行います。

重粒子線治療を実施している医療機関は何件ありますか。

厚生労働省「先進医療を実施している医療機関の一覧」(令和8年7月現在)の第2号の項には7件が掲載されています。千葉県、兵庫県、群馬県、佐賀県、神奈川県、大阪府、山形県の各1件です。件数は届出状況により変動しますので、最新は同一覧でご確認ください。

先進医療Aと先進医療Bはどう違いますか。

いずれも厚生労働大臣が定める評価療養ですが、告示上は別の区分として扱われ、掲載件数も異なります。令和8年7月現在で先進医療Aが28種類・3,150件、先進医療Bが45種類・379件です。重粒子線治療は先進医療Aの第2号にあたります。

参考資料

  • 厚生労働省「先進医療の概要について」リンク(出典:厚生労働省ホームページ)
  • 厚生労働省「先進医療の各技術の概要」(令和8年7月現在)リンク(出典:厚生労働省ホームページ)
  • 厚生労働省「先進医療を実施している医療機関の一覧」(令和8年7月現在)リンク(出典:厚生労働省ホームページ)

本記事は厚生労働省ホームページの公表資料を加工して作成しています。

情報基準日:2026年8月10日(参照した厚生労働省ページの基準日は令和8年7月現在)

本記事の事実は厚生労働省の公表資料に基づき、出典は上記に記載しています。株式会社 Tsubaki Trading は東京都知事の医薬品卸売販売業許可(第5313250689号)を有する日本の登記企業であり、これらの法令・告示資料を日常的に取り扱っています。本記事は情報提供のみを目的とし、診断・治療・服薬に関する助言ではなく、医療用医薬品の広告でもありません。当社は医療機関ではなく、受診の可否や診療結果を保証するものではありません。編集方針は編集方針・医薬情報ポリシーをご覧ください。

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